「最近、爪がよく割れるのですが、それも?」
野宮 確かに、出産後、足が変形したかも。外反母趾は長年ハイヒールを履いていたせいだと思っていたんです。「ハイヒール以外履かない」と若い頃は豪語していたんですが(笑)。
久道 実は、靴のせいで外反母趾になることはないと言われているんです。ただ、もともと外反母趾を持つ人を靴が悪化させてしまうことはあります。
野宮 なるほど。
更年期・閉経による変化
久道 そして次のイベント、更年期・閉経がやってくる。この第2期は、みなさんが直面しているエストロゲンの減少が起こります。まず、骨密度が低下する。そして、エストロゲンは皮膚の水分保持に非常に大きな働きをしているので、皮膚が乾燥し、バリア機能が低下してかゆみが出たり、傷が治りにくくなったりもする。
松本 最近、爪がよく割れるのですが、それも?
久道 ケラチンという爪をつくるタンパク質の分泌量が減るのでもろくなるんです。そして、エストロゲンが欠乏した状態が6か月続くと、筋力は10%低下し、筋断面積が18%減少するというスタディもあります。
女史会 そんなあ……。
久道 さらに、エストロゲンの減少により関節の柔軟性も低下する。アキレス腱や靱帯の弾力性が低下し、骨がグーッと変形していく。 あとは中足骨頭、足の指の付け根に痛みが出てきたりもするんです。これは足裏の指のつけねにある脂肪のクッションが変性して萎縮し、歩くたびに骨がダイレクトに当たって痛い、という症状なのですが。
松本 私、まさにそれだと思います。股関節が痛かったり、かかとが痛かったり。