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ナメやがって。子ども扱いかよ。
俺は腹が立った。
仕方なく、言われた通り絵を描いた。家があって、人がいて、太陽が出てて。そんな絵だ。別に得意なわけじゃないけどさ、それくらいは俺だって描けるよ。
そしたら、それを見ていた大人たちの顔色がみるみる変わっていくのがわかった。
「この絵は、どういう意味で描いたのかな?」
「意味っていうか、描けって言われたから……」
ヤツらは黙り込んだ。
「……じゃあ今から言う数字を覚えて、復唱してみて」
これはクリアできた。
「次は、その数字を逆から言ってもらえるかな?」
「……」
言葉が出てこなかった。
「俺は本当に、障がい者なのかもしれない」
嘘だろ? 俺ってこんなこともできないのかよ。なんで、こんな風に生まれてきてしまったんだ。俺は本当に、障がい者なのかもしれない。
事実が受け入れられなくて、頭が真っ白になった。

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