TVer見逃し配信が累計2400万回再生を突破*するなど、高い支持を集めているドラマ『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)。本記事の前編では、還暦世代となった主人公たちや、タイトルの「恋」が意味するものについて触れた。

 2012年に放送された第1期から、愛されキャラとして知られるのが内田有紀演じる長倉万理子だろう。シリーズ3作を通じて描かれた万里子の「恋」が伝えるものとは。(全2回の2回目/はじめから読む
*第1話から第8話までの累計で、6月8日時点

内田有紀 ©時事通信社

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『燕は戻ってこない』で強烈な印象を残した内田有紀

 物語の中心である吉野千明(演:小泉今日子)、長倉和平(演:中井貴一)と並び、『最後から二番目の恋』のメッセージを体現する存在が、内田有紀演じる長倉万理子だ。和平と典子(演:飯島直子)の妹で、真平(演:坂口憲二)の双子の姉にあたる。

(左から)飯島直子、中井貴一、小泉今日子、内田有紀、坂口憲二(フジ系『続・続・最後から二番目の恋』Xより)

 すでに次クールのドラマ『ちはやふるーめぐりー』(日テレ系)への出演も決まっており、出演作が後を絶たない内田。近年では、代理母ビジネスに手を伸ばした若い女性を描いたドラマ『燕は戻ってこない』(2024年、NHK総合)の草桶悠子役が特に強烈だった。

 血筋を重んじる夫・基(演:稲垣吾郎)と共に、主人公・リキ(演:石橋静河)のクライアントになるセレブ妻。リキにとって唯一の相談相手になれると思っていた悠子の変わりようは、視聴者からも「怖い」という声が続出したが、彼女もまた、その選択をせざるを得なかった女性の一人であることを忘れてはならない。

ドラマ『燕は戻ってこない』(2024年、NHK)

「極度の人見知り」「引きこもり」の万里子の“恋”

 あの悠子の凄まじいインパクトを忘れ、ふたたび万理子を愛でられるだろうか……。放送前はそんな不安もよぎった。しかし、『続・続』の放送決定と同時に発表された、いかにも“あの声で”脳内再生できそうな内田のコメントが、一気に万理子たちとの思い出を呼び覚ましたのである。

「ご視聴いただきました皆さまとお別れしてから早11年。また大好きな作品に参加させていただけるとは! 申し遅れましたワタクシ長倉万理子と申します……」

“極度の人見知り”の脚本家・長倉万里子を演じる内田有紀(フジ系『続・続・最後から二番目の恋』Xより)

 極度の人見知りで仕事も長続きせず、長年家に引きこもっていた万理子。気になる存在だった千明から酔った勢いでキスをされ、第1期当時35歳だった万理子は、人生初めての恋をする。千明への恋心が、その後の万理子の人生を大きく変えるのだ。