手練れの業界ウォッチャーが、新聞報道にもの申す!
★定見なき首相に警鐘を
花の命は短い。ぼやぼやしていると、雨に祟られて桜も散る。花見をし損ねたと悔いても、後の祭り。ただし、この春の心のモヤモヤは桜のせいばかりではあるまい。
「トランプ関税ショック」「世界同時株安パニック」「物価高」など心を萎えさせる言葉が紙面とネットを席巻しない日はない。とどめは日本のリーダーの能天気な言葉だ。
何と、石破茂首相は「誰と話せばトランプ氏に伝わる?」と与野党党首会談で漏らした(4月4日の朝日新聞デジタル配信記事)。国会答弁でも「せいては事をし損じる」「これ以上ないほど精緻な分析をして臨みたい」と語った(14日同)。これでは、絶望しない方がおかしい。
かつて新聞で読まされた石破氏のウリは、ピュアさにあった。正直に自民党の弱点を認め、党内で孤立しても理想を語る。だが首相となった以上、無垢な夢想家では困る。米大統領に直談判する前から自分の弱点を曝け出し、交渉カードにもならぬ理想論に縋ってどうする。
新聞も10日の朝刊で「石破政権は不当な米関税に毅然と対応を」(日経)、「相互関税第2弾 日本は長期戦略で交渉に臨め」(読売)など高らかに社説を掲げたが、的外れも甚だしい。国民が今一番不安になる疑問点がわかっていないのだ。
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source : 文藝春秋 2025年6月号